予知夢? パート8
私は、少しづつSさんに惹かれていきました。彼には色々な問題がありました。介護が必要な義母の存在。
これまで、色々なセミナーにお金をかけていました。起業家と言うと聞こえは良いけど、金銭感覚は驚くほどありませんでした。
しかも、仕事を辞めて無職の状態でした。3月の中旬には、義母が退院して来ます。私も何度か見舞いに行きました。彼が忙しい時は、私一人で行きました。
同居に抵抗はありませんでした。私は、昔から老人とは、相性が良かったのです。彼の母親は、認知症はありましたが、ユーモアがあり中々面白かったのです。
私は、3月の中旬目指して引っ越しの準備をしました。不安がよぎり、もう無理と思っていると不思議と大きなビジネスチャンスがやって来るのです。
これは、運命かもしれない。きっと私達は、逆転ホームランを打つに違いない。
私は、何度もそう感じ、何度もチャンスを掴めませんでした。
スーパーに買い物に行き、義母に何を作ろうか考えていると涙が出るのです。
私の居場所がここに有る。私達は家族なんだ。私は、何があっても守る。
今、振り返っても、普通の精神状態ではなかったのです。有る日には、金策で落ち込み、有る日には
高揚する。この時は、亡夫の喪失感から逃れられました。
正確に言うと、感傷に浸っている余裕が無かったのです。
私とSさんは、お互いに現実逃避していました。段々とSさんと義母が私に依存しているのを感じました。次々とあったチャンスはことごとく消えていきました。
そんなある日、ある男性から「Sさんに魅力感じているの?」と訊かれたのです。この一言が、私を現実に引き戻しました。続きは、次回にします。
お楽しみ下さい。